風景写真、猫、食べ物の写真など載せています。
瑞龍寺と東尋坊 [富山県・風景]
今回は、2009年の12月に撮影した瑞龍寺と東尋坊を載せたいと思う。
昨年末から2008年と2009年の旅写真を載せていたが、
もう載せるものがなくなってきている。
あとは地味なものがいくつか。
今後は、実際にどこかに旅をして撮ったばかりの写真を載せていけられればと
思っている。
撮影:Nikon D300
瑞龍寺とは・・・
山号は高岡山。本尊は釈迦如来。
開基は加賀前田家3代目当主前田利常、開山は広山恕陽。
高岡城を築城してこの地で亡くなった前田家2代目当主、
前田利長を弔うために建立された。
仏殿、法堂、山門の3棟が近世禅宗様建築の代表作として、
1997年(平成9年)に国宝に指定されている。
これは富山県下における初の国宝指定であり、
2020年(令和2年)11月現在も富山県唯一の国宝である。
2015年(平成27年)4月24日、「加賀前田家ゆかりの町民文化が花咲くまち高岡-人、技、心-」
の構成文化財として日本遺産にも認定される。
瑞龍寺は近世を通じて前田家の手厚い保護を受け、寺領300石を有する大寺であった。
1746年(延享3年)の火災で山門を含む伽藍の前半部分が焼失し、
山門が再建されたのは、それから約70年後の1820年(文政3年)であった。
江戸時代には総門と山門の間の僧堂(禅堂)側に七間浄頭(東司〔トイレ〕)、
大庫裏(おおくり)側には浴室があり、七堂伽藍が揃っていたが、
明治時代に入り加賀藩の庇護を受けられなくなり困窮し、
部材を売るため解体され現在に至っている。
1985年(昭和60年)から大規模な修理(昭和・平成の大修理)を総工費約23億円を掛けて行ない、
約10年かけて完了し、その後、1997年(平成9年)12月3日に国宝に指定されている。
これは、新規の国宝建造物指定として1967年(昭和42年)に
法隆寺綱封蔵が指定されて以後30年ぶりであった。
2000年(平成12年)より春に3日間、夏と冬は2日間、
寺院のライトアップと夜間拝観を行っており、
冬は、2011年(平成23年)から毎年2月に「夜の祈りと大福市」として行われている。
まずは山門から
国宝。現在の門は1820年(文政3年)に竣工したものである。
高さは約18mで寺院内で最も高い。
1645年(正保2年)竣工した山門は万治年間に場所を移して建てかえられたが、
1746年(延享3年)の火災で焼失した。
長らく仮の門が建てられていたが、焼失した門と同様の古式な禅宗様式で再建された。
二重門(2階建てで、上層と下層の境にも軒の出をつくるもの)で、
屋根は入母屋造、杮(こけら)葺き。
二重門では下層の屋根を上層よりも大きくつくることが多いが、
この門では上層と下層の屋根の出があまり変わらない。
これは積雪時に上層屋根から落下した雪が下層屋根に当たるのを防ぐためといわれる。
下層左右には金剛力士(仁王)像、上層内部(楼上)には宝冠釈迦如来と十六羅漢像を安置する。
山門から仏殿が見えている。
山門
回廊
重要文化財。
大伽藍を囲む周囲約300mの回廊で、北回廊、南東回廊、南西回廊からなる。
回廊の左右の壁は、規則正しく並んだ柱と、白壁、格子枠の障子戸が特徴である。
また、北回廊の大茶堂と大庫裏の間には鐘楼がある。
仏殿
国宝。棟札により1659年(万治2年)の竣工とわかる。
入母屋造、一重裳階(もこし)付きの総欅造りで、
屋根は当初杮(こけら)葺きであったが、
現状は総重量約47トンの鉛瓦葺きとする。
鉛製の瓦を用いる理由は、俗説では非常時に鉄砲の弾にするためともいうが、
実際は冬季の積雪対策のためだという。
内部を土間床とし、天井の構造材を見せて装飾としている点、
組物(柱上にあり、軒や天井を支える構造材)を密に配する点などは
禅宗様建築の特色であり、柱、扉、窓などの細部様式も典型的な禅宗様になる。
本尊の釈迦如来と、普賢菩薩、文殊菩薩の釈迦三尊像のほか、
達磨座像、跋駄羅尊者像を安置する。
釈迦三尊像の上部天井には、前田家の家臣、長連頼(ちょうづらより)九郎左衛門より
1658年(明暦4年)に寄進されたといわれる天蓋が架かる。
天蓋内側には彩色された木彫「飛天」があり、
天女2体が鮮やかな衣をまとい空を舞っている。
仏殿の内部
仏殿の内部
法堂
国宝。墨書から1655年(明暦元年)の建立とわかる。
総桧造りの入母屋造、銅板葺き。内部を土間床とする仏殿に対し、
法堂は畳敷きで、横2列、縦3列の6部屋を配する方丈形式の間取りで建坪186坪である。
手前の3部屋の前面には広縁(板間)があり、その前面は左右に細長い土間廊下とする。
こうした平面形式は曹洞宗建築の特色を示す。
二代藩主前田利長の位牌を建物中央奥に安置する。
かつて同寺にあった七間浄頭(東司)に祭られていた烏瑟沙摩明王立像を安置する。
仏殿
回廊
回廊の窓から仏殿を撮影。
脚立でも使わないと窓枠が歪んで写ってしまう。
仏殿
法堂
富山から岐阜の大垣に帰る際に福井県にある東尋坊に寄った。
東尋坊とは・・・
日本海に面した海食崖で、険しい岩壁が続き、
最も高い場所で約25mの垂直の崖がある。
東尋坊を構成する岩は、輝石安山岩の柱状節理で、
これほどの規模を持つものは世界に3ヶ所だけであり、
地質上極めて貴重とされ、
国の天然記念物および名勝に指定されている。
観光地として開発されており、遊歩道や遊覧船、
展望用のタワーや商店街などもある。
地名の由来は、乱暴あるいは恋愛関係で恨みを買って
此処から突き落とされた平泉寺(勝山市)の僧の名前による。
東尋坊は、今から約1,200 - 1,300万年前の新生代第三紀中新世に起こった火山活動で、
マグマが堆積岩層中に貫入して冷え固まってできた火山岩が、
日本海の波による侵食を受け地上に現れたものとされている。
屏風岩、柱状節理が発達している。
東尋坊の火山岩は白色の斜長石の斑晶や暗緑色の普通輝石・紫蘇輝石の斑晶を含む
東尋坊安山岩で、マグマが冷えて固まるときにできた五 - 六角形の柱状の
割れ目(柱状節理)がよく発達している。
この柱状節理の規模の大きさが地質学的に極めて貴重であるとされ、
昭和10年(1935年)に国の天然記念物・名勝に指定された。
また、平成19年(2007年)には日本の地質百選に選定された。
昨年末から2008年と2009年の旅写真を載せていたが、
もう載せるものがなくなってきている。
あとは地味なものがいくつか。
今後は、実際にどこかに旅をして撮ったばかりの写真を載せていけられればと
思っている。
撮影:Nikon D300
瑞龍寺とは・・・
山号は高岡山。本尊は釈迦如来。
開基は加賀前田家3代目当主前田利常、開山は広山恕陽。
高岡城を築城してこの地で亡くなった前田家2代目当主、
前田利長を弔うために建立された。
仏殿、法堂、山門の3棟が近世禅宗様建築の代表作として、
1997年(平成9年)に国宝に指定されている。
これは富山県下における初の国宝指定であり、
2020年(令和2年)11月現在も富山県唯一の国宝である。
2015年(平成27年)4月24日、「加賀前田家ゆかりの町民文化が花咲くまち高岡-人、技、心-」
の構成文化財として日本遺産にも認定される。
瑞龍寺は近世を通じて前田家の手厚い保護を受け、寺領300石を有する大寺であった。
1746年(延享3年)の火災で山門を含む伽藍の前半部分が焼失し、
山門が再建されたのは、それから約70年後の1820年(文政3年)であった。
江戸時代には総門と山門の間の僧堂(禅堂)側に七間浄頭(東司〔トイレ〕)、
大庫裏(おおくり)側には浴室があり、七堂伽藍が揃っていたが、
明治時代に入り加賀藩の庇護を受けられなくなり困窮し、
部材を売るため解体され現在に至っている。
1985年(昭和60年)から大規模な修理(昭和・平成の大修理)を総工費約23億円を掛けて行ない、
約10年かけて完了し、その後、1997年(平成9年)12月3日に国宝に指定されている。
これは、新規の国宝建造物指定として1967年(昭和42年)に
法隆寺綱封蔵が指定されて以後30年ぶりであった。
2000年(平成12年)より春に3日間、夏と冬は2日間、
寺院のライトアップと夜間拝観を行っており、
冬は、2011年(平成23年)から毎年2月に「夜の祈りと大福市」として行われている。
まずは山門から
国宝。現在の門は1820年(文政3年)に竣工したものである。
高さは約18mで寺院内で最も高い。
1645年(正保2年)竣工した山門は万治年間に場所を移して建てかえられたが、
1746年(延享3年)の火災で焼失した。
長らく仮の門が建てられていたが、焼失した門と同様の古式な禅宗様式で再建された。
二重門(2階建てで、上層と下層の境にも軒の出をつくるもの)で、
屋根は入母屋造、杮(こけら)葺き。
二重門では下層の屋根を上層よりも大きくつくることが多いが、
この門では上層と下層の屋根の出があまり変わらない。
これは積雪時に上層屋根から落下した雪が下層屋根に当たるのを防ぐためといわれる。
下層左右には金剛力士(仁王)像、上層内部(楼上)には宝冠釈迦如来と十六羅漢像を安置する。
山門から仏殿が見えている。
山門
回廊
重要文化財。
大伽藍を囲む周囲約300mの回廊で、北回廊、南東回廊、南西回廊からなる。
回廊の左右の壁は、規則正しく並んだ柱と、白壁、格子枠の障子戸が特徴である。
また、北回廊の大茶堂と大庫裏の間には鐘楼がある。
仏殿
国宝。棟札により1659年(万治2年)の竣工とわかる。
入母屋造、一重裳階(もこし)付きの総欅造りで、
屋根は当初杮(こけら)葺きであったが、
現状は総重量約47トンの鉛瓦葺きとする。
鉛製の瓦を用いる理由は、俗説では非常時に鉄砲の弾にするためともいうが、
実際は冬季の積雪対策のためだという。
内部を土間床とし、天井の構造材を見せて装飾としている点、
組物(柱上にあり、軒や天井を支える構造材)を密に配する点などは
禅宗様建築の特色であり、柱、扉、窓などの細部様式も典型的な禅宗様になる。
本尊の釈迦如来と、普賢菩薩、文殊菩薩の釈迦三尊像のほか、
達磨座像、跋駄羅尊者像を安置する。
釈迦三尊像の上部天井には、前田家の家臣、長連頼(ちょうづらより)九郎左衛門より
1658年(明暦4年)に寄進されたといわれる天蓋が架かる。
天蓋内側には彩色された木彫「飛天」があり、
天女2体が鮮やかな衣をまとい空を舞っている。
仏殿の内部
仏殿の内部
法堂
国宝。墨書から1655年(明暦元年)の建立とわかる。
総桧造りの入母屋造、銅板葺き。内部を土間床とする仏殿に対し、
法堂は畳敷きで、横2列、縦3列の6部屋を配する方丈形式の間取りで建坪186坪である。
手前の3部屋の前面には広縁(板間)があり、その前面は左右に細長い土間廊下とする。
こうした平面形式は曹洞宗建築の特色を示す。
二代藩主前田利長の位牌を建物中央奥に安置する。
かつて同寺にあった七間浄頭(東司)に祭られていた烏瑟沙摩明王立像を安置する。
仏殿
回廊
回廊の窓から仏殿を撮影。
脚立でも使わないと窓枠が歪んで写ってしまう。
仏殿
法堂
富山から岐阜の大垣に帰る際に福井県にある東尋坊に寄った。
東尋坊とは・・・
日本海に面した海食崖で、険しい岩壁が続き、
最も高い場所で約25mの垂直の崖がある。
東尋坊を構成する岩は、輝石安山岩の柱状節理で、
これほどの規模を持つものは世界に3ヶ所だけであり、
地質上極めて貴重とされ、
国の天然記念物および名勝に指定されている。
観光地として開発されており、遊歩道や遊覧船、
展望用のタワーや商店街などもある。
地名の由来は、乱暴あるいは恋愛関係で恨みを買って
此処から突き落とされた平泉寺(勝山市)の僧の名前による。
東尋坊は、今から約1,200 - 1,300万年前の新生代第三紀中新世に起こった火山活動で、
マグマが堆積岩層中に貫入して冷え固まってできた火山岩が、
日本海の波による侵食を受け地上に現れたものとされている。
屏風岩、柱状節理が発達している。
東尋坊の火山岩は白色の斜長石の斑晶や暗緑色の普通輝石・紫蘇輝石の斑晶を含む
東尋坊安山岩で、マグマが冷えて固まるときにできた五 - 六角形の柱状の
割れ目(柱状節理)がよく発達している。
この柱状節理の規模の大きさが地質学的に極めて貴重であるとされ、
昭和10年(1935年)に国の天然記念物・名勝に指定された。
また、平成19年(2007年)には日本の地質百選に選定された。
2021-02-05 23:33
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コメント(8)
一度は行ってみたい東尋坊。
撮っている時は楽しいんだけど、誰か同行者が一人いないと後の時間がつまらないと言う。(汗;
by kame (2021-01-16 01:18)
瑞龍寺へは、一度行ったことがありますが、夜間、
プロジェクトマッピングがあったので行きましたが、
ブログを拝見して、あらためてすごいお寺だとわかりました。
もう一度ゆっくり拝観したいです。
今頃は、雪に覆われていることでしょうね。
by kohtyan (2021-01-16 20:31)
お寺の中はひんやりとした場所ですが
雪とだとより空気が凛としている感じが
写真から伝わってきます。
by ぴーすけ君 (2021-01-17 17:24)
kameさん、コメントありがとうございます。
自分の場合、車を停めては撮影するので、
同伴者がいると嫌がります。^^;
by minsuke (2021-01-17 18:36)
kohtyanさん、コメントありがとうございます。
自分も調べてみて、すごい寺だなと思いました。
堂宇がどれも立派で、格好いいものでした。
今年は富山やたらと雪が多いみたいですね。
降ったばかりに行くと埋まっているかもしれませんが、
じきに溶けてしまいます。
僕はしばらく富山に住んでいたのでわかります。
by minsuke (2021-01-17 18:39)
ぴーすけ君さん、コメントありがとうございます。
感想いただいて参考になります。
また負担お掛けするかもしれませんが、
気が向いたらお願いします。
by minsuke (2021-01-17 18:47)
瑞龍寺、立派ですね!
富山は隣の県だけど降り立ったのは1回だけです…
しかも富山駅周辺だけ… これは一度行ってみたいなぁ。
外観ももちろん凄いんだけど回廊がこれまた素晴らしい!
床はピカピカに磨き上げられて 天井や建具もかっこいいし
窓から仏殿を撮影されたお写真も素敵ですね(*^^*)
特に土間?の部分に光が差し込むお写真に惹きつけられました。
東尋坊も凄いですねー
たしかに、岩の形めずらしい…
1千万年以上も前のマグマが冷えて固まった…スゴイ!!
それは貴重ですよね。
高所恐怖症なのでちょっと怖いなって思うショットもあったけど(笑)
海面に夕日が映っている1枚はとっても綺麗で油絵みたいだなって思いました(*^^*)
by ミケシマ (2021-01-19 23:08)
ミケシマさん、コメントありがとうございます。
瑞龍寺、かなり立派ですね。
国宝って、なかなか認定されないですよね。
回廊がホント立派でした。
よく見ていただき感想書き込んでいただいて
ありがたい限りです。
いつも奥行きを考えているので、
窓枠でも写さないとと考えました。
木の枝とか葉っぱがあれば入れるのですが。
東尋坊もすごいです。
岩がニョキっと立ち上がっている姿が
他にないですよね。
僕も撮影してて怖かったですよ。
東尋坊に着いた時にはもう夕方のいい時間だったと思うので
夕日を待てましたが、
ちょっと早く行ってしまうと待つのが大変です。
海と夕日は誰もが好きな組み合わせですよね。
コメント返信遅くなりすみません。
載せる写真がなくなってきたので、
テンションが上がりません。^^;
by minsuke (2021-01-24 00:53)